よくある質問
Q1.食物アレルギーかどうかわかりません。受診した方が良いでしょうか。
食物アレルギーの判断は専門的で難しく、医師の診断に基づくことが原則です。診断を誤ると命に関わる場合や、過剰な食物除去による、不必要な生活制限にもつながりかねません。決して自己判断はせず、かかりつけ医を受診し、必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらいましょう。
Q2.診察室では緊張で医師にうまく伝えることができません
あらかじめ外来で何を話したいか、聞きたいのかを準備しておくと良いでしょう。手書きのメモや、スマートフォンに入力してくるのも良いと思います。例えば食物アレルギー症状であったら、何を食べて、何分後に、どんな症状が現れたのかを細かく記録しておくと良いでしょう。余裕があれば症状の写真があるとわかりやすいですね。
Q3.園や学校ではアレルギー対応をしていますか?
国は園や学校でアレルギー対応を推進するように、ガイドラインを作成して現場の職員に指導しています。お子さんのアレルギーの状態を正確に園や学校が把握するため、国の作成した生活管理指導表を用いてコミュニケーションをすることを必須としています。原因食物やエピペン所持の有無、緊急連絡先などの情報を、医師が正しい診断のもとで記載してくれます。
Q4.ステロイド外用薬を処方されましたが、副作用が心配でまだ使っていません
「湿疹」を治すために大事な薬がステロイド外用薬です。ステロイド外用薬に含まれるステロイドの量は極めて少量で、内服や点滴で使用するのと比べて、非常に副作用が起こりにくくなっています。副作用が心配でステロイド外用薬を使用しないほうが、お子さんの湿疹が治らずに、痒かったり辛かったりし続けることになります。もし副作用が心配だったら、納得するまで医師の説明を聞いてみてください。
Q5.アレルギー科とアレルギー専門医について教えてください
「アレルギー専門医」は所定のアレルギー学を学び、経験を積んだ医師が、専門医試験に合格することで、日本アレルギー学会が認定する資格です。専門医であることがすべてではありませんが、受診先を検討する際の一つの目安になります。「アレルギー科」は専門医とは別に、どの医師であっても掲げることができます。そのため「アレルギー科」を掲げてあってもアレルギー専門医とは限りません。アレルギー専門医は日本アレルギー学会のホームページから検索することができます。
Q6.血液検査陽性だったために医師から食物除去指導をされていますが、このままで良いでしょうか
食物アレルギーの診断において、血液検査の結果は診断の補助になりますが、根拠にはなりません。検査が陽性でも、その食物が食べられる場合はよくあります。そのため、実際に食べて症状が出るかどうか「食物経口負荷試験」を行い診断することが、食物アレルギー診断の王道です。なお、食物経口負荷試験は食物アレルギーに精通した医師のいる医療機関で行います。
Q7.食物アレルギーがある場合、外食や旅行で気を付けることはありますか?
外食や中食では法律上、店舗側にアレルギー表示義務はありません。店舗によってはアレルギー表示を行っている店もありますが、その正確性や精密性は容器包装された食品の表示に比べると低く、特に重症食物アレルギー患者さんにとっては信用に値しません。外食や旅行の際は、こうした食品表示の問題点を十分に理解した上で利用することが重要です。外食や旅行では誤食リスクは高まるので、緊急時を事前に想定し、エピペン®を持っていれば必ず所持するなどの準備が重要です。
Q8.中学生になってもアレルギー疾患の治療が続いています。内科に移る時期の目安はありますか?
一般的に小児科の患者さんは、高校生になると内科に転科します。しかし小児科と異なり、成人科では診療する疾患が個々に異なります。例えば気管支喘息は呼吸器内科、鼻炎は耳鼻咽喉科、結膜炎は眼科、アトピー性皮膚炎は皮膚科などです。中学3年生になったら、疾患に合わせてどこの医療機関にかかるか調べはじめると良いでしょう。
Q9.親のアレルギーは子どもに遺伝しますか?
アレルギー体質のなりやすさは親から子どもに遺伝すると考えられています。アレルギー疾患は遺伝的な要因と生まれたあとの環境的な要因(アレルゲンにさらされているかどうかなど)が大きく影響するため、親と同じようなアレルギー疾患が発症するとは限りません。発症を予防するためには、環境をできる範囲内で整備することが効果的と言われています。
Q10.アレルギーは予防できますか?
Q9でも記載があるように、アレルギーの発症には遺伝的な要因と環境要因が関与します。遺伝要因へ介入することは困難ですが、環境要因の介入は可能です。例えば多くのアレルギー患者の原因である、ダニやホコリを環境から減らすことや、食物抗原が皮膚から侵入してこないように湿疹をケアし皮膚を綺麗に保つなどを行うことで、発症予防ができる可能性が研究されています。
=よくある質問の回答は昭和大学医学部小児科学講座の先生方にご協力をいただいて作成致しました=